思い出のかくれんぼ
こんばんは。ねさまです。
近々3人で会う予定の用事があったのだが、1人訳あって抜けてしまった。
そしたら残り1人が急に「自分もやることある」とか言ってきた。
私はイベントの参加者によってモチベーションを変える人間は嫌いだ。
(確かに、自分だって「仲良くない会社のおっさん×3対自分」で飲みに行こうとか言われたらモチベーションは低い。
しかし、実際そこまで仲良くないレベルの人間からはそもそも誘われない。)
ふと、子供の頃を思い出した。
小学校高学年のとき、奇跡的にクラス女子全員がそこそこ仲が良く、休み時間には全員でドッジボールをしていた。その仲の良さには担任も驚いていた。
ある日、私は「自分もなんかオーガナイザーになってみるべ」と思い、手当たり次第の女子全員に「今日学校終わってからみんなで遊ばない?」と声をかけた。
もちろん習い事があって来られない子もいたが、多くは「他に誰が来るの」と探ってきた。
私はいちいち誘った相手に来るか来ないかの返答は求めなかった。めんどいから。
ついに待ち合わせの時間になった。14人くらいに声をかけて、来たのは3人。自分含めて4人。
自分に人気がないのかと思いちょっと寂しくなったが、3人来てくれたのは嬉しかった。
ちょっとギャルっぽくて大人っぽいケーちゃん、芸人っぽい面白いガッちゃん、優等生タイプのまーちん。(仮)
集まったはいいが、何するか決めてなかった。いつものように遊具で鬼ごっこでも良いな。
ケーちゃんが、うちに来ても良いよ。といった。さすがギャル、社交的で陰キャにも優しい。
みんなでケーちゃんの家にチャリで向かった。
ケーちゃんの家は、誰もいなかった。親は仕事に出ていたのだろう。高校生のお兄ちゃんも不在だった。
比較的大通りに面した一軒家だ。
玄関を開けて、ケーちゃんは家へ上がる。
床一面、猫のトイレ砂が散らばって猫のおしっこの臭いが充満していた。
猫はペルシャ猫だったと思う。そんなことはどうでもいいか。
なかなかの洗礼だ。
リビングは煙草の吸殻を缶にぶっ刺した状態ものが複数おかれていた。
板の間に竹の先物が敷かれていた記憶がある。
2階に上がると、子供部屋だ。
グラビアアイドルのポスターが壁に貼られ、こちらも煙草の吸殻が床に散らばっていた。
「ここはお兄ちゃんの部屋」、とキーちゃん。
テレビをつけてくれた。
WOWOWを見られるらしい。
ただし、「金は払ってない」と付け足していた。違法視聴だ。
なかなかアウトローな世界を一通り見せてもらったあと、かくれんぼをすることになった。
さすがに小学生なので遊びはかくれんぼなのである。
かくれんぼは、家主が強い。こっちはもう高学年になってるのでさすがに人様の家の変なところに隠れることはできないのだ。
キーちゃんが全然見つからない。
結局、彼女は2階の窓から外に出て屋根に上っていた。屋根の上に、いられたら、さすがに屋内の鬼は見つけられない。
なかなかフリーダムなかくれんぼであった。